がん患者さんからの大切な手紙

部屋の整理をしていたら、大切に保管していた昔の手紙が出てきました。

まだ看護学生だった20年以上前、ある大学病院で募集していた夏休み限定の看護助手のお仕事。3年生の夏休みに応募して、約1ヶ月お仕事させていただいていました。

その時に配属された病棟にご入院されていた患者さんの娘さまからのお手紙です。

患者さんは50歳代のとても気品あふれるご婦人で、ご自身も辛い状況にあるなか、看護学生のわたしに対してもとても優しくいつも笑顔で接してくださいました。毎日その方に会えるのが楽しみで、勤務最後の日はとても寂しかったのを覚えています。

学生のアルバイトなので、病名は知らされていても病状や詳しい情報は教えてもらえない。元気でいらっしゃると思い、その年のクリスマスに彼女が喜んでくれる姿を想像しながらクリスマスカードを送ったわたし。でも、アルバイトが終わった1ヶ月半後の秋にお亡くなりになられていました。

クリスマスカードのお返事にご主人が訃報の連絡をくださり、しばらくして届いた娘さまからのこのお手紙。最後の辛い時、わたしとの関わりが"癒し"のひとときとなっていたことを教えていただき、感謝の気持ちで涙が溢れました。

"母の代わりに…
いつでも あなたのことを応援しています"

娘さまからいただいた温かいエールを無駄にしないよう、これからも丁寧に進んでいこうと思います。